
パニックをおこして気分が悪くなる
皆さんは、緊張するような場面や、苦手な場所などで、脂汗が出たり、手足が震えたり、吐き気がしたり、などという症状に見舞われたことはありませんか?
例えば、大事なプレゼンの前、緊張しすぎて、気分が悪くなってきたり、苦手な電車の中で、脂汗がでてきたり、試験の前になるとお腹が痛くなったり、吐き気がしたり・・・。程度の差はあれ、強いプレッシャーを感じると、そのような身体症状がきまって襲ってくると、人知れず悩んでいる人が実は少なくないんです。
このような場合を「パニック発作」が起きているといいます。これは、特に珍しいことではなく、ある調査では4割もの人がこのような経験をしたことがあると答えています。
これがひどくなると、「パニック発作」を恐れるあまり、日常生活もままならなくなり心療内科を訪れる方もでてきます。こうなると「パニック障害」という診断をされることも多く、本格的な治療が必要になる場合もあります。

パニクった時にやってはいけないこと
そのような、パニックにおちいった時によくやってしまうことがあります。
それは、「落ち着こう。大丈夫。なんともない。気のせいだ。」と深呼吸してみたり、胸をたたいたりしながら、必死で自分をなだめることです。
これは「回避的コントロール」と言います。
そうすれば、気持ちが落ち着きそうな気がしますよね。ところが、これが逆効果なのです。
まだ、パニックになる前、なりそうだな、という時にはそれなりの効果を発揮しますが、すでに気分が悪くなってしまったあとでは効果がありません。
「大丈夫。気のせいだ。」と強く思おうとすればするほど、パニックになっていってしまうのです。

パニックになった時どうすればいいのか?

では、パニックになってしまったらどうすればいいのでしょうか?
それは、開き直ることです。
落ち着こうと必死になればなるほど、あせります。緊張や不安がますます高まります。
そんな緊張感、不安感に立ち向かってはいけません。認めて、降参しましょう。
「緊張して、手が震えてきちゃったな。」「不安で吐き気がしてきちゃったよ。」独り言でもいいので、つぶやいてみましょう。
自分の今の症状を、客観的に詳しく解説してみるのです。
近くに誰かがいたら、それを伝えてみましょう。
じっと黙って我慢すればするほど、パニックは大きくなってしまいます。
ひとりで我慢せず、カミングアウトするだけでもずいぶんと楽になります。
パニックになってしまいそうな状況でも、慌てず騒がず、客観的に自分を見つめてみましょう。
これはアメリカの心理学者アルバート・エリスが提唱した心理療法から導かれた方法です。
ようは、「気の持ちよう」です。考え方を少し変えるだけで、自分自身でネガティブな精神状況から脱出できるようになるのです。

まとめ

・パニックになってしまったら、それを認めて、カミングアウトしてみる。
・「頭がいたくなってきた」「気持ちが悪くなってきた」とひとりでブツブツ言うのも効果あり。
・自分の症状を詳しく説明しているうちに、症状が軽くなっていく。
・我慢すればするほど不安は増大してしまうので注意。
こんな時、どう対処すればいいのでしょうか?